2012年3月29日更新

集合に関する命題

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定理1 非空集合の族{X<sub>λ</sub>}<sub>λ∈Λ</sub>に対してΠ_{λ∈Λ}X<sub>λ</sub>≠ ∅
⇔ 非空集合の族{X<sub>λ</sub>}<sub>λ∈Λ</sub>で全てのXλの濃度が等しいもの,に対してΠ_{λ∈Λ}X<sub>λ</sub>≠ ∅

証明⇒ は明らかなので,逆を示せばよい. {X<sub>λ</sub>}<sub>λ∈Λ</sub>を非空集合の任意の族とする.Y := (∪_{λ∈Λ}X<sub>λ</sub>)Nと置く.(ω= {0, 1, 2, …} ) 明らかに Y≠∅ である.λ∈Λに対し Fλ: Y×Xλ→Y を

Fλ(f, x)(0) := x
Fλ(f, x)(n+1) := f(n)

で定義する.Fは単射だから |Y×Xλ|≦|Y|.|Y|≦|Y×Xλ| だからBernsteinの定理より |Y×Xλ| = |Y|.従って仮定から Πλ∈Λ(Y×Xλ) ≠ ∅.故にΠ_{λ∈Λ}X<sub>λ</sub> ≠ ∅である.

定理2選択公理
⇔ 集合の順序対からなる族 { <Xλ, Yλ> }λ∈Λが,各λ∈Λに対し |Xλ| = |Yλ| を満たしているとする.このとき写像の族 {fλ}λ∈Λ で,「各λ∈Λに対し fλ: Xλ→Yλ は全単射」を満たすものが存在する.

証明 ⇒ は明らかなので,逆を示せばよい.{X<sub>λ</sub>}<sub>λ∈Λ</sub>を非空集合の任意の族とする.| Xλ×ω | = | Xλ×ω∪{ ∅ } | であるから,族 { <Xλ×ω∪{ ∅ }, Xλ×ω> }λ∈Λに仮定を適用して全単射 fλ: Xλ×ω∪{ ∅ }→Xλ×ω からなる族を得る.g(λ) := ( fλ( ∅ )の第一成分 ) と置けば,gが選択関数である.

定理3選択公理
⇔ 非空集合の族{X<sub>λ</sub>}<sub>λ∈Λ</sub>は全てのXλの濃度が等しいとする.このとき写像の族{ fλ, μ }λ, μ∈Λで,「各λ, μ∈Λに対し fλ, μ: Xλ→Xμ は全単射」を満たすものが存在する.

証明 ⇒ は明らかなので,逆を示せばよい.{X<sub>λ</sub>}<sub>λ∈Λ</sub>を非空集合の任意の族とする.Y:=(∪_{λ∈Λ}X<sub>λ</sub>)^ωと置く.明らかにY≠∅ である.定理1の証明と同様にして | Xλ×Y | = |Y| が分かる.また,| Xλ×Y | = | Xλ×Y∪{ ∅ } | も容易に分かる.

I := {0}×Λ, J := {1}×Λ, K := I∪K と置き <0, λ>∈I に対し Y<0, λ> := Xλ×Y∪{ ∅ }, <1, λ>∈J に対しY<1, λ> := Xλ×Y と定める.族{ Yi } i∈K に仮定を適用して全単射の族 { fi, j }i, j∈K を得る.このとき各λ∈Λに対し

Fλ := f<0, λ>, <1, λ>: Xλ×Y∪{ ∅ }→Xλ×Y

は全単射である.そこでg(λ) := ( Fλ( ∅ )の第一成分 ) と置けば,gが選択関数である.

定理4 以下の命題は(ZF上)同値.

  1. 選択公理
  2. 任意の X≠∅ と写像 F: X→Y に対して写像 G: Y→X が存在して FGF = F となる.
  3. 任意の全射 F: X→Y に対して,ある G: Y→X が存在して FG = idY
  4. 二項関係 R⊂X×Xが「任意のx∈Xに対してあるy∈Xが存在してxRy」を満たすとき,写像 f: X→X で「任意のx∈Xに対してxRf(x)」を満たすものが存在する.

証明 (1 ⇒ 2) X≠ ∅ , F: X→Y とする.Z := Im(F) と置く.各 y∈Z について F-1(y) ≠ ∅ である.よって { F-1(y) }y∈Z に選択公理を適用して選択関数 f: Z→∪y∈ZF-1(y)=X を得る.y∈Z に対し f(y)∈F-1(y),即ち F(f(y))=y である.また X≠ ∅ だから,X から1つ元 a∈X が取れる.写像 G: Y→ X を

y∈Z のとき G(y) := f(y)
y ∉ Z のとき G(y) := a

と定義すれば,任意の元x∈Xに対し

FGF(x) = F(G(F(x))) = F(f(F(x))) = F(x)

(2 ⇒ 3) F: X→Y を全射とする.X = ∅ のときは自明なので X≠ ∅ とする.すると仮定4 よりある写像 G: Y→X があって FGF = F = (idY)F.よって F の全射性から FG = idY である.

(3⇒4) 条件を満たす関係 R⊂X×X を取る.X = ∅ のときは自明だから, X≠ ∅ とする.写像 π1, π2: R→X を πi(x1, x2)=xi (i=1, 2) で定める. R の条件から π1 は全射である.よって仮定3から,π1g = idX となる写像 g: X→R が存在する.このとき写像 f:=π2g: X→X を取れば任意の x∈X に対して xRf(x) である.

(4 ⇒ 1}) {X<sub>λ</sub>}<sub>λ∈Λ</sub>を非空集合の族とする.X := Λ∪∪_{λ∈Λ}X<sub>λ</sub>と置く.Λ∩∪_{λ∈Λ}X<sub>λ</sub>=∅ としてよい.X上の二項関係Rを

aRb ⇔ a∈Λ, b∈Xa または a=b∈∪_{λ∈Λ}X<sub>λ</sub>

で定める.このRに仮定4 を適用し,写像f: X→X を得る.g を f をΛに制限した写像を g とすれば,明らかに g: Λ→X は選択関数である.

定理5 選択公理
⇔ 任意の族{X<sub>λ</sub>}<sub>λ∈Λ</sub>に対し,互いに交わらない集合の族 {Yλ}λ∈Λ でYλ⊂Xλ, ∪λ∈Λ Yλ = ∪λ∈Λ Xλ を満たすものが存在する.

証明(⇒) Xλ= ∅ となるλ∈Λについては Yλ := Xλとすれば良いから,初めから Xλ≠∅ と仮定してよい.X :=∪_{λ∈Λ}X_λと置き,x∈Xに対し Ax := { λ∈Λ | x∈Xλ } ≠ ∅ と定める.{ Ax }x∈X に選択公理を適用し,選択関数 f: X→∪x∈X Ax =Λを得る.Yλ := f-1(λ) とすれば明らかに∪λ∈Λ Yλ = X かつ Yλ∩Yμ= ∅ (λ≠μ)である.y∈Yλとするとλ= f(y)∈Ay,即ち y∈Xλ.よって Yλ⊂Xλとなる.

(←) 定理4の条件3を示す.F: A→B を全射とする.a∈A に対し Xa := { F(a) } と置き,族 { Xa }a∈A に仮定を適用して Ya⊂Xa, ∪a∈A Ya = ∪a∈AXa (=B), Ya∩Yb = ∅ (a≠b) を満たす { Ya }a∈A を得る.各 b∈B に対して b∈YG(b) となる G(b)∈A が唯一つ存在する.この写像 G: B→A は FG = idB を満たす.

定理6 次の命題は(ZF上)同値.

  1. 選択公理
  2. A を集合,B⊂A を部分集合,f: A→B を全射とするとき, 任意の写像 g: A→B に対してある写像 h: A→A が存在して g = fh となる.
  3. A を集合,B⊂A を部分集合,f: A→B を全射とするとき, 任意の全射 g: A→B に対してある写像 h: A→A が存在して g = fh となる.
  4. A を集合,B⊂A を部分集合,f: A→B を全射とする. 写像 g: A→B が g|B = idB を満たすとき,ある写像 h: A→A が存在して g = fh となる.

証明 (1 ⇒ 2) 定理4の3を f に適用して,fk = idB となる写像 k: B→A を得る.そこで h := kg と置けば fh = fkg =idBg = g である.

2⇒3 と 3⇒4 は明らか.

(4 ⇒ 1) {X_λ}_{λ∈Λ}を互いに素な非空集合の族とする.X:=∪_{λ∈Λ}X_λとする.X∩Λ= ∅ としてよい.XにもΛにも含まれない元 ∞ ∉ X∪Λ を一つ取る.A := X∪Λ∪{∞}, B := Λ∪{∞} として全射 f: A→Bを

a∈Xλ のとき f(a) := λ
a∈Λ のとき f(a) := ∞
a=∞ のとき f(a) := ∞

と定める.写像 g: A→B を

a∈Xλ のとき g(a) := ∞
a∈Λ のとき g(a) := a
a=∞ のとき g(a) := ∞

とする.仮定により,ある写像 h: A→A が存在して g = fh となる.このときλ∈Λに対して λ = g(λ) = f(h(λ)) だから,f の定義により h(λ)∈Xλ である.故に h|Λ{X_λ}_{λ∈Λ}の選択関数である.

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管理人 | 2011年11月14日 10:33

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管理人 | 2011年11月14日 10:37

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