2011年11月22日更新

閉集合と直積

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定理1

選択公理
{X_λ}_{λ∈Λ}を位相空間の族とし,集合族{Aλ}λ∈Λは任意のλ∈ΛについてAλ⊂ Xλを満たすとする.このとき
cl(Πλ∈ΛAλ)⊃Πλ∈Λcl(Aλ)

左辺の cl はΠ_{λ∈Λ}X_λでの閉包,右辺の cl は各Xλでの閉包である.
また,逆向きの包含関係 cl(Πλ∈ΛAλ)⊂Πλ∈Λcl(Aλ) は(選択公理によらず)常に成り立つ.

証明

(⇒) x=(xλ)∈Πλ∈Λcl(Aλ)を取る. λ∈Λに対してxλ∈cl(Aλ)だから, xλの任意の開近傍U⊂ Xλに対しU∩ Aλ≠∅となる. xの任意の開近傍U⊂Π_{λ∈Λ}X_λを取る. 族{Uλ}λ∈Λが,各UλはXλの開集合で Πλ∈ΛUλ⊂ Uとなるように取れる. このとき各λ∈ΛについてUλ∩ Aλ≠∅. 故に選択公理によりΠλ∈Λ(Uλ∩ Aλ)≠∅となる. 従ってU∩ A=Πλ∈Λ(Uλ∩ Aλ)≠∅である. よってx∈cl(Πλ∈ΛAλ).

(←) {Aλ}λ∈Λを空でない集合の族とする. ¬∞∈∪λ∈ΛAλとなる∞を一つ用意し, Xλ := Aλ∪{∞}と置く. Xλに密着位相を入れる.明らかにΠ_{λ∈Λ}X_λ≠∅.このとき
cl(Πλ∈ΛAλ)⊃Πλ∈Λcl(Aλ)=Π_{λ∈Λ}X_λ≠∅.
(Π Xλの中で考えて) cl(∅)=∅だから,Πλ∈ΛAλ≠∅でなければならない.

定理2

以下の命題は(ZF上)同値.

  1. 選択公理
  2. {X_λ}_{λ∈Λ}を位相空間の族とし, {Aλ}λ∈Λは任意のλ∈Λについて ∅≠ Aλ⊂ Xλを満たすとする.このとき
    Πλ∈ΛAλΠ_{λ∈Λ}X_λが閉集合 ⇒ 任意のλ∈Λ に対しAλ⊂ Xλが閉集合
  3. {X_λ}_{λ∈Λ}を位相空間の族とし, {Aλ}λ∈Λは任意のλ∈Λについて ∅≠ Aλ⊂ Xλを満たすとする.このとき
    Πλ∈ΛAλΠ_{λ∈Λ}X_λが閉集合 ⇒ あるλ∈Λ に対しAλ⊂ Xλが閉集合

証明

(1⇒2) 定理1によりΠλ∈ΛAλ =cl(Πλ∈ΛAλ)=Πλ∈Λcl(Aλ) だから,Aλ=cl(Aλ).即ちAλ⊂ Xλは閉集合である.

(2⇒3) 明らか.

(3⇒1) 選択公理が成り立たないと仮定する.すると非空集合の族{Aλ}λ∈Λで Πλ∈ΛAλ=∅となるものが存在する. ¬∞∈∪λ∈ΛAλなる∞を一つ用意し, Xλ := Aλ∪{∞}と定める. 各Xλには密着位相を入れる. ∅=Πλ∈ΛAλΠ_{λ∈Λ}X<sub>λ</sub>の閉集合だから, 仮定3より,あるλ∈Λが存在してAλ⊊ Xλが閉集合となる. Xλには密着位相が入っていたから,Aλ=∅でなければならず,矛盾する.

次の命題はZFで証明できる.

命題

{X_λ}_{λ∈Λ}を位相空間の族とし, 族{Aλ}λ∈Λは任意のλ∈Λについて ∅≠ Aλ⊂ Xλを満たすとする. またΠλ∈ΛAλ≠∅であるとする. このとき
Πλ∈ΛAλΠ_{λ∈Λ}X_λが閉集合 ⇒ 任意のλ∈Λ に対しAλ⊂ Xλが閉集合

証明

命題の仮定を満たす{X_λ}_{λ∈Λ}と{Aλ}λ∈Λを取る. Πλ∈ΛAλ≠∅だから,(aλ)∈Πλ∈ΛAλが取れる.

あるμ∈Λが存在してAμ⊂ Xμが閉集合でないと仮定する. p∈cl(Aμ)\ Aμが取れる. 写像f: Λ→∪_{λ∈Λ}X_λ
f(μ) := p
λ≠μに対し f(λ) := aλ
と定める.明らかにf∈Π_{λ∈Λ}X_λかつf∉Πλ∈ΛAλである. Πλ∈ΛAλΠ_{λ∈Λ}X_λは閉集合だから, fの開近傍U⊂Π_{λ∈Λ}X_λで U∩Πλ∈ΛAλ=∅となるものが存在する. 族{Uλ}λ∈Λを,各UλはXλの開集合で, Πλ∈ΛUλ⊂ Uとなるように取る.このとき
∅=U∩Πλ∈ΛAλ ⊃Πλ∈ΛUλ∩Πλ∈ΛAλ ⊃Πλ∈Λ(Uλ∩ Aλ)
である.p∈Uμかつp∈ cl(Aμ)だから, Uμ∩Aμ≠∅である.そこでq∈ Uμ∩ Aμを一つ取り, 写像g: Λ→∪_{λ∈Λ}X_λ
g(μ) := q
λ≠μに対し g(λ) := aλ
で定めれば,g∈Πλ∈Λ(Uλ∩ Aλ)=∅となり矛盾する.

参考文献

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